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福岡地方裁判所 平成元年(わ)263号 判決

本店の所在地

福岡市東区箱崎ふ頭五丁目一番二八号

株式会社海商

(右代表者代表取締役 山本峰雄)

本籍

福岡市東区大字八田五四七番地の六二

住居

右同

会社役員

山本峰雄

昭和一八年七月一六日生

右両名に対する各法人税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官桒名仁出席のうえ審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人株式会社海商を罰金二〇〇〇万円に、被告人山本峰雄を懲役一〇月にそれぞれ処する。

被告人山本峰雄に対し、この裁判の確定した日から二年間その刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告会社株式会社海商は、福岡市東区箱崎ふ頭五丁目一番二八号に本店を置き、海産物の卸売業等を営むもの、被告人山本峰雄は、被告会社の代表取締役としてその業務全般を統括しているものであるが、被告人山本は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、架空仕入を計上する方法により所得を秘匿した上、昭和六〇年八月一日から同六一年七月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得額が二億九一八九万二四七九円であつたのにかかわらず、同六一年九月三〇日、福岡市東区香椎駅前二丁目一〇番三三号所在の所轄香椎税務署において、同税務署長に対し、その所得額が一億一四万五一七〇円でこれに対する法人税額が四一六六万四八〇〇円である旨虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて、不正の行為により、被告会社の右事業年度における正規の法人税額一億二四六七万八六〇〇円と右申告税額との差額八三〇一万三八〇〇円を免れたものである。

(証拠の標目)

一  被告人両名の当公判廷における各供述

一  被告人山本峰雄の検察官に対する平成元年三月一六、一七日付、同月二三日付(二通)各供述調書

一  山本福子(二通)、北田洋、岡崎松男、小山田邦雄の検察官に対する各供述調書

一  登記官作成の登記簿謄本

一  荒牧幹雄作成の脱税額計算書及び脱税額計算書説明資料

一  押収してある(株)海商六一/七期確定申告書一綴(平成元年押第一一三号の一)

(法令の適用)

罰条 被告人株式会社海商に対し、法人税法一六四条一項、一五九条一項、二項

被告人山本峰雄に対し、法人税法一五九条一項

刑種の選択 懲役刑選択(被告人山本峰雄の罪につき)

執行猶予 刑法二五条一項(被告人山本峰雄に対し)

よつて、主文のとおり判決する。

(裁判官 森田富人)

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